歯周病原菌が血管の修復を妨げる? / 新橋(汐留)にある歯医者のナンバデンタルオフィス
2022/05/25
歯周病のキーストーン病原菌として注目されているジンジバリス菌。
ジンジパインというたんぱく質を分解する酵素を分泌することで、免疫に抵抗している。
最近では、ジンジパインがアルツハイマー病の発症に関わることも明らかになってきました。
さらに歯周病原菌が血管の修復を妨げる仕組みが発見されました。
血管の内側には血管内皮細胞で裏打ちされていて、出血が起こると血管内皮細胞は破れた穴を埋めるように移動して血管を修復するが、移動にはPAL-1というタンパク質が必要となります。
このPAL-1をジンジパインが分解することにより、血管内皮細胞の創傷治癒が遅くなります。
歯周病菌によっても血管の修復が妨げられ、血管壁のバリア機能が弱くなる可能性が示されました。
歯周病において、血管の修復が遅れると、歯周ポケットの出血が持続しその結果、ジンジバリス菌は増殖し、歯周病が悪化する負のスパイラルが生まれてきます。
また、ジンジバリス菌が壊れた血管から体内に侵入していくことで、アルツハイマー病や心血管疾患など、血管の異常が関わる全身疾患をも悪化させる可能性も考えられます。