被せ物をする際なぜ歯を引き上げるのか?(エクストルージョン)
2021/08/18
被せ物の構造
まずはじめに、被せ物の構造についてお話していきます。
被せ物は、深くまで虫歯が進行してしまったり、歯根の治療(根の神経を取る治療)を行った歯に対して、人工歯を被せます。
被せ物になる際は、歯全体を削るので天然歯が小さくなります。また、歯根の治療を行った場合、歯の強度がなくなるのです。
そこで必要な処置が、土台(コア)をつくることです。
土台をつくることにより、強度がありながら適度な柔軟性もあるので、被せ物をしても根に負担が掛かりにくくなります。
そして最後に、土台の上に適合の良い被せ物を入れていきます。
上記の通りだと、歯茎の所で割れてしまっても、土台をつくって被せ物を入れたらいいのではないかと疑問を持たれると思います。
しかし、それでは逆に歯根破折を起こしてしまう可能性があるのです。
それを防ぐために必要なものを「フェルール」といいます。
では、フェルールとは何か詳しく説明していきましょう。
さいごに
みなさま、エクストルージョンを行いフェルールを確保することが大切だとお分かり頂けましたでしょうか?
たかが1~2mmでも、歯にとっては大きな変化となります。
フェルールがないだけで、不適合な被せ物になってしまい、隙間から虫歯が再発したり、歯根破折を起こし抜歯になる可能性があります。
また、被せ物が不適合だと取れやすくもなります。
その後を考えず、その場だけの治療を行っても意味がありません!
しっかりと手順を踏んで時間をかけることも大切な1つです。
歯のことで何かお困りのことがございましたら、新橋にある歯科のナンバデンタルオフィスまでご連絡下さい。