歯周病予防で感染症対策
2021/03/09
目次
- ○ 歯周病予防で感染症対策
- ・約100年前に起きた感染症の記録からわかること
- ・なぜ、歯周病予防で感染リスクを下げられるのか?
- ・インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスも歯周病予防が大切!
- ・まとめ
歯周病予防で感染症対策
皆さんこんにちは。新橋にある歯科のナンバデンタルオフィスです。
未だに収まらない新型コロナウイルスに皆さん恐怖をお持ちかと思われます。
そんな中で歯周病により感染リスクが高くなることをご存知でしょうか?
少しでも感染リスクを下げるために、本日は歯周病と感染症の関係についてお話をします。
約100年前に起きた感染症の記録からわかること
皆様は約100年前のスペイン風邪(H1N1型インフルエンザ)をご存知でしょうか?
実はこの時に行われていた調査ですでに、お口の中の炎症とウイルスによる感染症には関連性があると指摘されていたそうです。
この時はワクチンや特効薬もない中で、米国人と英国人260人のお口の中を調べたところ、歯周病になっている人のスペイン風邪の罹患率は『72%』に達し、歯周病になっていない人の罹患率は『32%』だったそうです。
なので、このデータから歯周病の方は感染リスクが高いと言えます。
なぜ、歯周病予防で感染リスクを下げられるのか?
ウイルスが口腔内の粘膜細胞に感染し体内に入り込む時、細胞の膜にあるレセプター(受容体)を見つけ、そこに吸着しウイルスの膜と粘膜細胞の膜を一体化させ、自分の遺伝子を細胞に放り込み、細胞を乗っ取り増殖します。しかし、粘膜細胞は粘液で覆われておりウイルスの侵入を妨げているので、簡単にはレセプターを見つけることができません。
ところが、歯周病菌が増殖していると、歯周病菌の出す毒素が粘液の層を破壊しレセプターが露出するため、ウイルスの吸着が容易になってしまうのです。
インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスも歯周病予防が大切!
「歯石を除去し歯周病予防をするとウイルス感染のリスクを下げられる」ということは、インフルエンザウイルスの研究からも明らかになりました。
新型コロナウイルスも細胞のレセプターに吸着して侵入することから、同様の現象が起きていると考えられています。
また、口腔ケアがインフルエンザを予防することもわかっています。
そして、インフルエンザに加えて口腔・咽頭細胞が混合感染すると、重篤な肺炎を発症させ、死亡率が高くなることも明らかになっています。
こちらもまた、新型コロナウイルスでも同様なことが起きる可能性があると指摘されています。
まとめ
・約100年前から、歯周病によりウイルス感染が起き感染症リスクが高まることがわかった。
・歯周病菌が増殖すると、歯周病菌の毒素が粘液を破壊しレセプターが露出するため、ウイルスの吸着が容易になる。
・口腔ケアをすることで、歯周病になりにくく、感染リスクを下げられる。
以上のことから口腔ケアをし、まず歯周病にならないようにすることが大切です。
少し前に「歯医者は口の中を見るから感染しやすそうで危険だ」などと報道されていましたが、何もケアをせずお口の中を放置している方が危険です!
当院では日頃から消毒・滅菌を行っており、空間洗浄器や来院時患者様への消毒・検温も実施しております。
コロナウイルスが流行っているから歯科に行くのを戸惑っている方は、早めに歯科へ掛かることをお勧めいたします!
お口のクリーニング・歯の治療など何かお困りでしたら、お気軽にご連絡下さい。