歯周病によって増大する発症リスクが腸内細菌にもたらすリスクと重なる
2022/08/03
飲み込んだ歯周病原菌の全身への影響、腸内細菌叢や腸管免疫などの変化と全身疾患の関係性について研究がされています。
歯周病が様々な全身疾患のリスクを高めることは、近年の免疫研究で明らかになりました。
しかし、そのメカニズムは完全に解明されていません。以前は歯周ポケットから菌が体内に入り込んでいくとか、炎症を起こした歯周組織から炎症性サイトカインなどの物質が血流を介して血管や肝臓、脂肪組織などで炎症を引き起こすと考えられていました。
2010年あたりから歯周病原菌の一つであるPg菌(P、gingivalis)を口腔内に投与したマウスで実験を始めました。
人と同様に動物でも歯周病が動脈硬化症を悪化させることが判明していたので血液や動脈硬化を起こしている場所などを調べた結果投与したPg菌の遺伝子が見つかりませんでした。仮説道りなら見つかってもいいはずなのですがそう言ったなか、腸内細菌叢の乱れが引き起こすと指摘されている様々な疾患が、歯周病がもたらす疾患と酷似していることがわかりました。
そこで、歯周病原菌」を飲み込むことで腸内細菌叢が悪影響受け、結果、全身疾患のリスクを上げてのではないかと研究が進められ、2014年に実験結果が発表されました。
2019年以降口腔と腸管の関係論文は増えています。最近では結腸がん、直腸がんとの関連性も報告されています。